最初はただの喉のイガイガだと思っていました。季節の変わり目によくある乾燥のせいだろうと軽く考え、市販ののど飴や咳止め薬で誤魔化しながら仕事を続けていたのですが、二週間が過ぎても一向に咳が止まる気配はありませんでした。むしろ夜寝ようとして布団に入ると、喉の奥を羽毛で撫でられるようなむず痒さが襲い、一度出始めると顔が赤くなるまで止まらないほど悪化していきました。周囲からも心配されるようになり、ようやく重い腰を上げて近所の内科を受診しました。そこでの診断は風邪の後の気管支炎だろうというもので、一般的な抗生剤と咳止めが処方されました。しかし、薬を飲み切っても劇的な変化はなく、昼間の会議中や電話対応中に突然込み上げてくる咳に恐怖すら感じるようになりました。このままでは仕事にも支障が出ると感じ、私はより専門的な診療科を探すことにしました。インターネットで調べると、咳が長引く場合は呼吸器内科という専門の科があることを知り、早速予約を入れました。専門のクリニックに足を踏み入れると、そこには普通の病院とは少し違う設備が並んでいました。問診票には、咳が出る時間帯やきっかけ、痰の有無、家族にアレルギー体質の人がいるかなど、非常に細かい項目が並んでいました。診察では医師が丁寧に私の話を聞いてくれ、単なる風邪の残りではない可能性を示唆されました。そこで初めて受けたのが、吐き出す息の中の成分を調べる呼気検査です。機械に一定の速さで息を吹き込むだけの簡単な検査でしたが、その結果、私の気道には強いアレルギー性の炎症が起きていることが分かりました。病名は咳喘息でした。喘息という言葉にショックを受けましたが、医師は適切に吸入薬を使えばコントロールできる病気だと言ってくれました。処方された吸入ステロイド薬を使い始めると、あんなに苦しめられていた夜間の咳が、わずか数日で嘘のように静まりました。今までの市販薬や一般的な風邪薬は何だったのだろうと思うほど、専門的な治療の効果は絶大でした。もし私がいつまでも一般内科の診断だけで満足していたり、自然に治るのを待っていたりしたら、今頃はもっと重い喘息に移行していたかもしれません。咳が止まらないという症状は、体が出している重要なサインです。何科に行けばいいのか迷う時間はもったいないと感じました。特に呼吸器の専門医は、咳の原因を特定するための豊富な知識と検査機器を持っています。長引く咳に悩んでいる人は、まずは自分の症状がいつから続いているのかを確認し、迷わず専門の外来を訪れてほしいと思います。それが結果として、自分自身の健康を守り、日常生活を早く取り戻すための最善の選択になるからです。
咳が止まらない症状を放置せず呼吸器内科へ通院した体験記