「このままでは糖尿病になりますよ」。健康診断の結果説明で医師から告げられた一言が、私の生活を一変させました。当時45歳、自覚症状は皆無。まさか自分が糖尿病予備軍だとは夢にも思っていませんでした。最初の数日は、ただただショックで何をすればいいのか分かりませんでした。しかし、このままではいけないと一念発起し、私は自分の体と向き合うことを決意しました。まず取り組んだのは、食事記録をつけること。自分が何をどれだけ食べているのかを客観的に見るためです。記録してみて驚きました。無意識に口にしているお菓子やジュースがいかに多いことか。私はまず、その間食を断つことから始めました。次に、毎日の夕食後に30分間のウォーキングを始めました。最初は億劫でしたが、妻も一緒に歩いてくれるようになり、夫婦の会話の時間が増えるという思わぬ副産物が生まれました。食事面では、白米の量を少し減らし、その分野菜をたっぷり摂るように心がけました。三ヶ月が経った頃、体重が3キロほど落ち、体が軽くなっているのを感じました。そして、運命の半年後の血液検査。恐る恐る結果を聞くと、ヘモグロビンA1cの数値は基準値内に下がっていました。「正常に戻りましたね。この生活を続けてください」。医師の言葉に、私は思わずガッツポーズをしてしまいました。決して楽な道のりではありませんでした。飲み会で好きなものを我慢したり、疲れている日にウォーキングに出かけたりするのは辛い時もありました。しかし、日々の小さな努力の積み重ねが、確実に結果に繋がったのです。この経験は、私に健康のありがたさと、自分自身の力で未来は変えられるという自信を与えてくれました。予備軍からの脱出は、ゴールではなく新たなスタートです。この健康な体を維持するため、これからも努力を続けていこうと心に誓っています。