予備軍から脱出。私が実践した食生活改善法
会社の健康診断で血糖値の異常を指摘され、「境界型糖尿病」、いわゆる糖尿病予備軍と診断されたのは一年前のことでした。自覚症状が全くなかっただけに、その衝撃は大きなものでした。しかし、落ち込んでいても始まらないと思い、私はまず自分の食生活を徹底的に見直すことから始めました。振り返ってみると、私の食生活は糖質と脂質に偏っていました。朝は菓子パンと甘いカフェオレ、昼はラーメンとチャーハンのセット、夜は揚げ物をつまみにビールを飲むのが日課でした。これでは血糖値が上がるのも当然です。まず私が取り組んだのは、食事の「食べる順番」を変えることでした。いわゆる「ベジタブルファースト」です。食事の最初に野菜やきのこ、海藻類などの食物繊維が豊富なものから食べ、次におかずである肉や魚などのタンパク質、そして最後にご飯やパンなどの炭水化物を食べるようにしました。これにより、血糖値の急激な上昇を抑えることができると知ったからです。最初は物足りなさを感じましたが、よく噛んで食べることを意識すると、少ないご飯の量でも満腹感を得られるようになりました。また、大好きだった甘い缶コーヒーやジュースをきっぱりとやめ、お茶か水に切り替えました。間食にはナッツやヨーグルトを選び、夜の晩酌も週に二回までと決めました。劇的な変化ではありません。しかし、こうした地道な改善を三ヶ月ほど続けた頃、体の調子が明らかに軽くなっていることに気づきました。そして半年後の再検査。私のヘモグロビンA1cの数値は、見事に正常範囲内に戻っていたのです。医師から「よく頑張りましたね」と言われた時の喜びは、今でも忘れられません。食生活の改善は、糖尿病予備軍から脱出するための最も確実で力強い武器だと、私は身をもって実感しています。