無事に蜂用スプレーで巣の中の蜂を駆除できたとしても、そこで安心してはいけません。駆除作業は、巣を安全に撤去し、再発を防ぐ措置を講じるまでがワンセットです。スプレー後の後処理を適切に行わないと、生き残った蜂や戻ってきた蜂によって、再び危険な状況に陥る可能性があります。蜂の巣の処理に関する注意点を正しく理解しておきましょう。まず、スプレーを噴射した直後に巣を撤去しようとするのは絶対にやめてください。巣の中には、薬剤がかかりきらずに生き残っている蜂がまだ潜んでいる可能性があります。また、駆除時に巣にいなかった「戻り蜂」が、異変に気づいて興奮状態で帰ってくることがあります。この戻り蜂は、巣を失ったことで攻撃性が非常に高まっており、大変危険です。そのため、スプレー噴射後は、最低でも二十四時間、できれば二日から三日は巣に近づかず、蜂の活動が完全になくなったことを確認する時間が必要です。蜂の姿を完全に見なくなったら、いよいよ巣の撤去作業に移ります。この際も、万が一に備えて、肌を露出しない服装で行ってください。長い棒などを使って巣を根本から落とし、直接手で触れないように、厚手のビニール袋に回収します。袋に入れる際には、念のため袋の中に再度スプレーを噴射しておくと、万が一生きていた蜂がいても安心です。袋の口は固く縛り、可燃ゴミとして処分します。巣を取り除いたら、作業はそれで終わりではありません。蜂は、一度巣を作った場所に再び巣を作る「帰巣本能」があります。巣があった場所やその周辺に、予防効果のある蜂用スプレーをまんべんなく吹き付けておくことで、再発のリスクを大幅に減らすことができます。蜂の駆除は、スプレーをかけた瞬間でなく、巣を安全に撤去し、後始末を完了させた時点で初めて成功と言えるのです。