それは月曜日の夕方のことでした。幼稚園から帰宅した娘が、少し喉が痛いと言いながら元気がなく、熱を測ると三十八度を超えていました。季節の変わり目によくある風邪だろうと考え、その夜は水分を多めに摂らせて休ませたのですが、翌朝、着替えをさせようとして娘の体を剥き出しにした瞬間、私は自分の目を疑いました。胸からお腹にかけて、見たこともないような細かく赤いブツブツがびっしりと広がっていたのです。それは単なる湿疹というよりも、皮膚全体が真っ赤に火照っているようで、触れるとヤスリのようにザラザラとした感触がありました。驚いて全身を確認すると、発疹はすでに脇の下や足の付け根にまで波及しており、娘は「少し痒い」と顔をしかめていました。急いで小児科へ駆け込み、待合室で不安に押しつぶされそうになりながら順番を待っていた時間を、今でも鮮明に覚えています。診察室で先生は娘の喉を診て、「これは真っ赤だね」と一言。さらに舌を確認すると、そこには真っ赤に腫れたイチゴのような突起が並んでいました。先生は落ち着いた声で、これは溶連菌感染症、昔で言うところの猩紅熱の状態だと説明してくれました。全身の発疹は、溶連菌が出す毒素に体が反応している証拠であり、適切に薬を飲めば必ず治るから大丈夫だという言葉に、ようやく私は安堵の吐息を漏らすことができました。検査の結果、やはり溶連菌陽性と判定され、十日間の抗菌薬が処方されました。医師からは、薬を飲み始めて二十四時間もすれば熱は下がり、他人にうつす心配もなくなると言われましたが、全身に広がったあの赤い発疹が消えるまでには、それから三、四日の時間を要しました。発疹が引いていく過程で、赤みは次第に茶褐色のような色に変わり、娘の肌は一時的にカサカサとした質感になりました。それからさらに一週間ほど経った頃、今度は指先の皮が薄く剥け始め、まるで日焼けの後のような状態になったのを見て、溶連菌の影響がいかに全身に及んでいたのかを改めて実感しました。娘の場合、痒みがそれほど強くなかったのが幸いでしたが、全身が真っ赤に染まったあの光景は、親として生涯忘れることのできない衝撃的な出来事でした。溶連菌は単なる喉の病気ではなく、皮膚にもこれほど劇的な変化をもたらすのだということを、身をもって学びました。その後、指示通りに薬を飲み切り、尿検査でも異常がないことを確認してようやく、私たちの長い戦いは幕を閉じました。全身に発疹が出るという症状は、親をパニックに陥らせるには十分な破壊力を持っていますが、冷静に医師の指示に従い、最後まで治療をやり遂げることの重要性を、この経験は教えてくれました。今では娘の肌も元通りになり、あの日々が嘘のように元気に走り回っていますが、喉の痛みとセットで現れる発疹の怖さを、私はこれからも決して忘れることはないでしょう。