言葉で自分の不調を訴えることができない赤ちゃんにとって、舌の様子は健康状態を映し出す鏡のような役割を果たします。特に、まだ離乳食を始めたばかりの時期や、母乳やミルクが中心の時期に、赤ちゃんの舌が赤く腫れ、イチゴのように見えることがあります。これがいわゆるイチゴ舌なのか、それとも他の原因によるものなのかを見分けるのは、お母さんやお父さんにとって非常に緊張する作業です。赤ちゃんの場合の見分け方のコツは、まず「不機嫌さ」との連動を確認することです。もし、舌が赤くなっているだけで、おっぱいやミルクをいつも通り飲み、ニコニコと機嫌が良いのであれば、それは一時的な充血や食べ物の影響かもしれません。しかし、イチゴ舌を伴う疾患の場合、赤ちゃんは激しい喉の痛みや全身の不快感から、今まで経験したことがないほど激しく泣いたり、飲み込むのを嫌がったりします。次に、舌のブツブツの「広がり」を観察してください。イチゴ舌は舌全体、特に先端から中央部にかけて均一に広がるのが特徴です。もし、一部だけにブツブツがあったり、白い斑点が点在していたりする場合は、鵞口瘡というカビの一種による感染症や、口内炎の可能性が高くなります。さらに、赤ちゃんの肌の状態も同時にチェックしましょう。イチゴ舌が現れる時、おむつかぶれのような赤みが全身に広がったり、BCGの接種跡が赤く腫れ上がったりすることがあります。これらは川崎病の重要なサインであり、イチゴ舌との組み合わせで診断の精度が上がります。また、赤ちゃんは体温調節が未発達なため、高熱が出た際に脱水症状を起こしやすく、それが原因で舌が乾燥して赤く見えることもあります。この場合、水分を補給して安静にすることで改善しますが、本物のイチゴ舌は水分を摂ってもその質感は変わりません。赤ちゃんの小さな口の中を診るのは大変ですが、授乳の前後やあくびをした瞬間などを逃さず、舌の奥まで光を当てて観察してみてください。もし、明らかに舌の表面が隆起し、真っ赤に熟したイチゴのように見えるなら、それは一刻を争う受診のサインです。赤ちゃんのイチゴ舌は、決して「様子見」をしていい症状ではありません。その鮮やかな赤色が、あなたの赤ちゃんを病気から守るための最後通告だと思って、迷わず専門医に相談してください。親の細やかな観察と迅速な行動こそが、無防備な赤ちゃんを守る唯一の手段なのです。
赤ちゃんの舌の異常とイチゴ舌を見分けるコツ