夏場はなんともなかったのに、空気が乾燥し始める秋から冬にかけて、布団に入ると体がかゆくなる。そんな経験はありませんか。多くの人はこれもダニのせいだと考えがちですが、冬のかゆみには、夏とは異なる特有の原因が潜んでいることが多いのです。その最大の原因が「肌の乾燥」と「空気の乾燥」という、二つの乾燥の相乗効果です。冬は空気が乾燥しているため、肌の水分が奪われやすくなります。さらに、暖房の使用によって室内の湿度はさらに低下します。水分を失った肌は、表面の角質層がめくれやすくなり、外部からの刺激を守るバリア機能が著しく低下します。この無防備な状態の肌にとって、布団は格好の刺激源となってしまうのです。布団のシーツや毛布の繊維が、乾燥して敏感になった肌に触れることで、物理的な摩擦が刺激となり、かゆみを引き起こします。特に、ウールや化学繊維の毛布は、肌との摩擦が起きやすいため、注意が必要です。また、私たちは寝ている間にコップ一杯分の汗をかくと言われています。冬場でも暖房や厚着によって汗をかき、その汗が蒸発する際に肌の水分まで一緒に奪っていきます。これにより、寝ている間に肌の乾燥がさらに進行し、朝方にかゆみが強くなるという現象が起こるのです。この冬特有の布団のかゆみに対処するには、ダニ対策とは少し違ったアプローチが必要です。まず、寝室の湿度管理が重要です。加湿器を使用して、湿度を五十から六十パーセント程度に保つようにしましょう。濡れタオルを一枚干しておくだけでも効果があります。そして、最も大切なのがお風呂上がりの保湿ケアです。入浴後の肌は水分が蒸発しやすい状態にあるため、できるだけ早く、全身に保湿クリームやローションを塗って、肌のバリア機能をサポートしてあげましょう。冬の布団のかゆみは、敵を外(ダニ)に求めるだけでなく、自分自身の肌の状態と寝室の環境を見直すことが、解決への鍵となります。