半年ほど前から、私は常に何かに追いかけられているような、浅くて苦しい呼吸に悩まされていました。特別な運動をしているわけでもないのに、少し家事をしただけで肩で息をするようになり、鏡を見るたびに自分の顔色が白っぽくなっているのが気になっていました。最初はただの更年期障害や、仕事のストレスによる自律神経の乱れだと思い込み、市販のサプリメントを飲んでやり過ごそうとしていました。しかし、ある朝、立ち上がった瞬間に激しい立ちくらみと息切れでその場に座り込んでしまい、さすがに放置できないと感じて近所の一般内科を受診することにしました。医師に「とにかく息苦しくて、疲れが取れない」と伝えると、医師は私の下まぶたをめくって色の白さを確認し、すぐに採血を行うことを提案しました。結果として判明したのは、重度の鉄欠乏性貧血でした。血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンは、酸素を運ぶ重要な役割を担っていますが、その数値が健康な人の半分近くまで低下していたのです。私の肺や心臓が悪いのではなく、酸素を運ぶトラックが足りていなかったことが息苦しさの正体でした。そこから鉄剤の服用が始まり、食事内容についても細かく指導を受けました。数週間が経過し、体内の鉄分が補充されるにつれて、あんなに私を苦しめていた息苦しさが霧が晴れるように消えていきました。深呼吸ができることの喜びを、その時初めて実感したのです。もし私が「息苦しいのは肺の病気だ」と決めつけて呼吸器科にだけこだわっていたり、あるいは精神的なものだと諦めていたりしたら、この単純な原因にたどり着くのはもっと遅れていたかもしれません。息苦しいという症状は、実は全身のさまざまなバランスの崩れから生じることがあります。貧血だけでなく、甲状腺機能の異常や腎不全なども息切れの原因となることがあるため、何科に行けばいいか迷ったときは、まず血液検査ができる一般内科を受診して、体全体の基礎データを取ってもらうことが非常に合理的であると学びました。自分の感覚だけに頼らず、科学的な検査によって自分の体の内側を知ることで、ようやく私は健康な毎日を取り戻すことができたのです。